LEDになぜ抵抗?

踏切の自作1で紹介した通り,LEDを点灯させるには抵抗器が不可欠です.しかし一体それはなぜなのか….今回はその疑問を解決していきます.

LEDに抵抗が必要な理由とは?

LEDに電圧をかけるとこのように電流が流れます.LEDはダイオード(一方向にしか電気を流さない素子)の一種ですので,接続するときどちらがプラスでどちらがマイナスにつながなくてはならないかが指定されています.

LEDは大きな電流に弱いので,1Aも流れると焼けてしまいます.なので,LEDに流れてくる電流をある程度制限してあげなければなりません.その役割を担うのが抵抗です.これを入れてあげることによって電流が流れすぎるのを防ぎ,LEDが焼けてしますのも防止してくれるのです.

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一方,LEDの明るさは,電圧ではなく,LEDに流れる電流の大きさによって決まっています.しかし電圧を上げるとLEDの明るさも明るくなります.なぜなのでしょう.

LEDの構造

LEDは2種類の半導体がくっついてできています.

こんな構造です.

ここに大量の電流が流れてしまうと,二つの半導体の接合が破壊されてしまったり,大電流によって発熱して焼けて破壊されてしまいます.上の図の電線は,LEDをじっくりとのぞき込むと見えるあの細い線です.こんなに細い電線に電気がめちゃめちゃ流れたら電線もしんどいですよね.そりゃすぐ焼けちゃいます.

これを防ぐために電流を制限するための装置が必要なのです.

電流と電圧・明るさの関係

実際に電池とLED,それと抵抗を使って回路を組んでみると,電池の本数,つまり電圧に応じてLEDの明るさも変化するのがわかると思います.

LEDの明るさは電流の大きさによって決まります

では,なぜ電圧が変わるとLEDの明るさも変わるのでしょうか?

これはオームの法則というものが大きくかかわっています.ここでは詳しくは述べませんが,抵抗値が一定なら,電圧が大きくなればなるほど電流も大きくなる,という法則です.これのおかげで電圧を上げると電流も増える,つまりLEDが明るく点灯するというわけです.

ここで何人かは思うでしょう.「じゃあ電流を一定に保ってくれる部品を使ったらいいじゃないか」と.世の中にはCRDという常に一定の電流を取り出せる部品もあります.しかしそれだと,明るさに応じてその都度新しい部品を買わなくてはならず,一本30円以上もします.しかし抵抗なら100本入りで100円,つまり1本1円で購入できるわけです.抵抗ならほかでも使えますので,持っておいて損はありませんし,電圧を変えるだけで電流も変えることができます.

しかしながら,抵抗を使うと少しばかり厄介な点も…

それは,計算が必要になる点です.計算方法は

R(使う抵抗の大きさ)[Ω]=(電源電圧ー順方向電圧)÷I(流したい電流値)

で算出できます.よくわかんない言葉が出てきましたねぇ,順方向電圧.

これはいったい何者なのかというと,LEDが光るときにほぼある一定の電圧がロスになります(厳密に言うと違うのですが).このロスになる電圧の大きさを順方向電圧といいます.赤色LEDだと約2V,青色や白色だと約3.5Vです.

この計算式に従って,抵抗値を決定します.

LEDが焼けないよう,計算頑張りましょう.それでは今回はこの辺で~

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