【Nゲージ】チラつき軽減室内灯の開発

今回は某P社から出ているチラツキ軽減タイプを自分でなんとかできないか試行してみます。

コンデンサの種類

今回はNゲージに入れる前提なので、厚さや太さが大きすぎては困ります。

ということで、今回はなるべく薄く、なるべく容量の大きいものをメーカー品から探していきます。

 

コンデンサの種類

 

今回はNゲージに入れる前提なので、厚さや太さが大きすぎては困ります。

ということで、今回はなるべく薄く、なるべく容量の大きいものをメーカー品から探していきます。

アルミ電解コンデンサ

こちらは電子回路では平滑用や安定化用としてお馴染み、電解コンデンサです。

極性がありサイズが大きいですが、容量は十分大きく、北海道型や特急型などデッキのある車両への取り付けなら問題ないでしょう。

細身の電解コンデンサも探して見ましたが、直径が5mm程のものがほとんど。関東の通勤型などに組み込むのは厳しいかも…

今回はサイズという面で電解コンは断念。

セラミックコンデンサ

高周波用として用いられることの多いコンデンサで、応答の良さが売りですが、容量や耐圧はそこまで大きくなく、その上NゲージのようなDC平滑用途だと、容量値よりも効果が1/5程度まで減少してしまう厄介な特性があります。

ただ、安くて小型なものが手に入りやすいため、自作室内灯含めNゲージの室内灯によく採用されます。某P社もこのタイプのコンデンサを使っていて、22uFが15個並列で330uFを実現しています。(直流12V使用時は実効平滑能力は60uFほど。)

P社の室内灯でコンデンサの数の割に保持時間が短いのは、セラミックコンデンサの直流容量特性も原因の一部と言えるでしょう。

Nゲージで使うためには余裕を持って20V程の耐圧を持つものを使いたいので、そうするとサイズも結構大きくなって、厚さが2mmを超えるようなコンデンサを使用しなければなりません。割とデカくて目立ちます。

しかも過電圧で故障するとコンデンサの端子間がショートします。そう、電圧にきちんと余裕を設けてあげないと車内でショートして、車両の溶存、最悪の場合は発煙発火に繋がりかねません。

容量の大きいものは、上のように扱いが若干面倒くさかったりビミョーに大きかったりしますが、容量の小さいものだと小型で高耐圧な物が安く入手しやすいので、容量の小さいものを並列に繋ぐ作戦か、応答の速さを活かして、高速でオン・オフを繰り返している常点灯(PWM制御)での補助平滑用としての利用を考えていきます。

電気二重層コンデンサ

こちらは耐電圧が1-5V程度と低い一方で、容量は電解コンデンサと比べて数百倍大きいという特徴を持ちます。

低い電圧ですが、小さい体積で長いこと電流を流すことができるため、メモリのバックアップに使われたりもします。

ぱっと見は電圧だけが問題なので、電気二重層コンデンサの電圧に合わせて降圧&昇圧の回路を付ければいいような気がしますが、実は一筋縄では行きませんでした。

小型の電気二重層コンデンサは内部抵抗が25〜200Ωほどとかなり高く、外部(レール)からの電源供給がなくなると電気二重層コンデンサの内部抵抗で電圧降下が発生してLEDにかかる電流が減少するので、レールから離すと一瞬で暗くなってしまい、暗いまま数十秒光り続けるという実験結果になりました。

結局チラツキの改善には効果がなく、むしろ明るくなったり暗くなったりを繰り返すよく分からない仕様の室内灯が出来てしまいました。

ということで電気二重層コンデンサはNゲージに組み込めるような小型で、かつ内部抵抗が低い物は超高額のものしか見つけられなかったのでコチラもパス。

二次電池(バッテリー)

リチウム系などのバッテリーも使用候補として挙げてみました。しかしこちらも、サイズが小さいと内部抵抗が高いので電気二重層コンデンサの二の舞いです。

内部抵抗が低かったり、連続使用負荷が5mA程度あるものなら十分に使えると思いますが、高いし何よりサイズ感が…でっかくなってしまいます。

さらに定電流定電圧充電方式を必要とする場合もあり、熱管理も含めると回路が面倒なことになります。

ニチコンのSLBシリーズとかはサイズ的にも結構いい線行ってると思うんですけどね…高いし個人じゃ買いにくいしって感じです。

ついでに二次電池シリーズだとEnerCera(エナセラ)っていう全固体二次電池のコインタイプも、個人向けの販売が始まれば使ってみたいところです。

タンタルコンデンサ

薄型で容量の確保できるコンデンサといえばやはりタンタルコンデンサなのではないでしょうか。

電解コンデンサと違って円筒形にせず、薄い直方体で高い容量を確保できます。ただし、こちらも正しい設計をせずに過電圧がかかるとショート、さらに電流を流し続けると自己発熱で焦げます。最悪こちらも車両溶損、発火に繋がります。

そこで見つけたのが,タンタルポリマーコンデンサ.こちらも薄型大量量を確保できるコンデンサで,タンタルコンデンサよりも安全です.

実際に実験してみる

サイズ感,容量共に一番使いやすそうだったのでひとまずこれで試作.

ちょっと汚くてすみません…

これくらいのサイズ感(今回のは厚さ2mm)で470uFという巨大な容量を持っています.

結果自体は満足できるものだったのですが,どうにも厚さがあるので気になってしまいます…

比較用に動画も取りたいところだったのですが,どうにも動画編集が苦手で諦めました.

ということで,ひとまずコンデンサの種類はタンタルポリマーコンデンサでいこうと思います.

厚さを誤魔化すために

厚みの薄いものも探しましたが,12Vで使うのに耐えられる性能を持った薄型のタンタルポリマーコンデンサは見つかりませんでした.きっとあったとしても高額になってしまいます.

ということで,ここからは高さを誤魔化す戦法で行きます.

高さを誤魔化すためには,

  1. 基板の色を黒くして黒いコンデンサを使う
  2. 基板をくり抜いてコンデンサを埋め込んでしまう

これくらいしか思いつきませんでした.

基板を黒くしてしまう方法は,結局LEDの光がコンデンサに阻まれて均一に拡散しないという問題が発生.

続いて基板をくり抜いてコンデンサを埋め込む方法をやってみます.

こんな感じで基板をくり抜いて,コンデンサをはんだ付けします↓

こんな感じ.幅に限界があるのでしようしたのは100uF.
気になる厚さはというと…

来ました!LEDの背丈と大差ありません.これでコンデンサが目立たずに,光も均一に拡散されます.

とりあえず今回はこんな感じで,基板に埋め込む方法に決定して終わろうと思います.それではまた~